ペルソナとは? ~ユーザーの人物像を具体的に描こう~

2018年11月22日木曜日

ウェブサイト作成・運営

PCでWeb開発

突然ですが、「ペルソナ」という言葉をご存じでしょうか。


「ペルソナ」とは主にマーケティングで用いられる用語ですが、Webサイト作成等にも深く関わってくる言葉です。



たとえばWebサイトを作るとき、作成者は無意識のうちに、「どういう人にこのWebサイトを見てもらいたいか」ということを、ある程度考えながら作成すると思います。

その時に、「こんな人に見てもらいたい」ということをボンヤリと思い浮かべるのではなく、一人の架空の人物像を具体的に決めてしまい、その架空の人物に向けてコンテンツを作成していくのが、「ペルソナを設定する」という考え方です。


実はこの考え方、特にWebコンテンツの作成において重要になってくる考え方なんです。

なぜペルソナなどというものを設定する必要があるのでしょうか。


インターネットの普及


マーケティングに関して言うと、昔であれば、テレビや電車の広告で、一般大衆に向けて購買を訴えるスタイルのマーケティングが主流でした。

その際のターゲットは、「夕方にテレビを見ている主婦」とか、「電車に乗っているサラリーマン」とか、ざっくりとした括りの人たちでした。




しかし、インターネットやWebというものが普及した現在では、そういった大雑把な括りでターゲットを決めても、その人たちの心に響くメッセージは、送りにくくなっています。


なぜかというと、WebやITといったものが、顧客一人一人に「最適化された広告」の表示を可能にしてしまったからです。


具体的に言うと、例えばこのブログに載っている広告です。
あなたが今パソコンを使っていれば、この記事の右側に表示されているはずです。
もしあなたがスマホを使っているのなら、記事の下側に表示されるはずです。

その広告欄に表示されている内容、このブログを運営している私は、実は何が表示されているのか、全く知りません。

というのも、別に私が怠けているわけではなくて、広告が表示される寸前まで、何が表示されるか「決まっていない」のです。

どういう事かというと、この広告はGoogleが出している広告なのですが、アクセスした人によって、表示される内容が変わるのです。


その仕組みとしては、このブログのページが表示される寸前に、Googleがあなたの過去のWeb上での行動の履歴を見て、その履歴の傾向から、あなたが一番興味を持ちそうな広告を選んで表示しているのです。
(Cookieなどと呼ばれるものを使っています。)




あなたは、Amazonでお買い物をしたことがあるでしょうか。

その際、オススメ商品としてあなたに勧められている商品も、あなたの過去の行動を解析して、最適化されたものです。

ペルソナを設定して記事を書く



「本」や「雑誌」、「テレビ」、「ラジオ」といった旧来のメディアと、コンピューターの決定的な違いは、「双方向性」です。

情報の受け手は、ページをめくったり音を聞きながら一方的に情報を受け取るだけでなく、ボタンを押して画面を操作したり、SNS等で情報を発信したりできます。


従って、コンテンツの作成者は、ユーザーの操作・過去の行動に従って、その人に最適化された、その人が最も興味を持つようなコンテンツを提供できるようになりました。





人々の情報の受け取り方を変えた端的な例としては、「検索」です。


ユーザーは検索窓に自分の興味がある言葉を打ち込み、それにマッチした情報のみを自らの意思で選びます。

そして、期待していた内容と少しでも違うと感じ始めたら、即座にそのページを離脱し、別のページに移ってしまいます。



さらに、Googleなどで検索をして、その結果として表示されるWebサイトの一覧にも、その人のWeb上での過去の行動が反映され、最適化されています。




テレビ、本のように、与えられた情報をただ受け身になって受け取るだけでなく、自分のために最適化された情報を「取りに行く」形で、現代の人々は情報を得ています。

また時には、そのWebページにコメントを残すなどして、自分が情報の発信者にすらなります。




そういった中で、「多分誰かが見るだろう」と、大雑把にターゲットを決めたコンテンツには、ほとんど人が集まらなくなってしまいました。

なぜなら、少し隣を見れば、自分のためにパーソナライズされた情報が、いくらでも手に入るのです。



確かに、「多分誰かが見るだろう」と配置されたコンテンツにも、ごく一部の人は、一定確率で興味を示すでしょう。

しかしGoogleなどの検索エンジンの性質上、ごく一部の人以外はすぐに離脱してしまうコンテンツの検索順位は上がりにくく、結果的に、より具体的にターゲットを絞れていないコンテンツは、Web上に溢れる膨大なコンテンツの中に埋もれてしまうことになります。



だからペルソナを決める


だからペルソナを決めるんです。

「40代のおじさん」ではなくて、「45歳で、東京の銀行に勤めてて、あまり出世するタイプではなくて、穏やかな性格だけどストレスを抱えていて、Google検索はたまに使うけどSNSはほとんどやっていなくて、神奈川県の湘南の近くに住んでいて、娘が2人いて、年収は……」

という風に、具体的な人物像を決めてしまうのです。

そういう風により具体的に情報の受け手をイメージすると、おのずと、その人がどういう情報を欲している人物なのかが、具体的に見えてきます。

そして、どのタイミングでGoogle検索などを行うかも、ある程度予測が立ちます。


「ある特定の人が、ある特定の状況でGoogle検索をしている」というところまで状況が絞り込めていれば、どういったことを発信すればいいのかも自ずと見えてきます。


そこでその人が求めている情報にドンピシャな情報を提供できれば、読み手を飽きさせることのない、有益なWebサイトを提供できるんですね。


そして、「有益なWebサイトかどうか」という点は、Googleも、読み手の行動を解析しながら常に伺っていますから、そうやって有益な情報を提供しているWebサイトの検索順位は上がっていきます。

そして検索順位が上がれば、さらに多くの人を呼び込める、という風に良い循環が生まれます。

Webコンテンツを作る際に「ペルソナ」は、ぜひ意識しておきたい概念ですね。


まとめ


  • 「ペルソナを設定する」とは、漠然とした「ターゲット」を決めるのではなく、具体的な「人物像」まで落とし込むこと

  • インターネットの普及によって、ペルソナを設定することの重要性は増している

  • WebサイトやWebコンテンツを作成する時に意識すると良い


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。