日本のITエンジニアに英語は必要? 仕事が苦しい人ほど英語をやるべきだと思う

2019年7月13日土曜日

IT

ITエンジニアに英語は必要か

こんにちは、財前です。

僕は大学生2年生の時に急に英語に興味を持ち、それ以来、なんだかんだ勉強を続けてきました。

今はアメリカ人の奥さん(日本語喋れない)と一緒に住んでいるので、家では英語を使って生活しています。
また、フィリピンでブリッジエンジニアや通訳業務などもやっていたので、ある程度は英語が分かる状態で日本に戻ってきて、エンジニアをやっていく中で

改めて、
「日本でエンジニアをやる上で英語が必要かどうか」

について考えてみました。


このブログが、これから英語の学習を始めようか考えているエンジニアの方などの参考になれば幸いです。



結論から言うと、
「日本でITエンジニアをやる上で、英語は必須ではない」
と思います。


なんだかネガティブな結論になってしまっているのですが、こう考える背景としては

「習得にかかる時間当たりのリターンが少ない」
ということがあります。

ここで言うリターンとは、
日本国内で、
日本人だけの環境でITシステム開発に当たる中で、プラスに働く要素のことを指しております。


具体的に思い当たるメリットとしては、以下のようなものです:

  1. ググった時に英語記事が読めるので、プログラミング等に関する情報源が増える
  2. 変数名をつける時、英単語の選択にあまり悩まなくなる
  3. 環境から返されたエラーメッセージが英語だった場合に、早めに理解して対処できる


これぐらいでしょうか…


上記3つは、作業の時間短縮にもなりますし、便利と言えば便利です。


ではなぜ、ちょっとネガティブな結論になってしまったかと言うと、それはひとえに

「英語の習得には労力と時間がかかる」

ことと、

「3つとも、業務を進める上で必須ではない」

からです。



エラーメッセージなどはそのままググれば日本語サイトでも対策を扱っていることも多いですし、
エラーメッセージぐらいの英語であれば、特別英語の勉強をしなくても、業務の中で自然に身についてくる場合も多いでしょう。




そしてまず、上記で挙げたようなメリットを本当に享受できるだけの英語力に達するまでには、ある程度の訓練が必要です。

特に
「わからなくてググった時の情報源」
として業務の中で使えるようになるには、
「日本語の記事を読むよりも、英語で読んだ方が効率が良い」
という状態になっている必要があります。

もちろん、英語の記事の方が技術関連の情報が豊富であったり、最新の技術やサービスは英語でしか情報が得られない場合もあります。

ただ、日本語でじっくり探せば、必要な情報が取得できる場合もあります。



つまり、ある程度英語を勉強すると、ググった際には以下の二通りの選択肢から、どちらを選択するかの判断をすることになります:


  1. 引き続き日本語のサイトで粘って情報を集めてみる
  2. 英語の情報源に切り替える


上記で、「2.」を選択した方が、欲しい情報にたどり着けるという期待値が高くなければ、英語でググることは、時間の無駄になってしまう可能性が高いです…

そして、特別英語の勉強をしていなかった状態からそのレベルに達するまでには、少なくとも数年は勉強が必要になるのではないかと思います。

巷には
「一週間で英語がペラペラに!」
みたいなメソッドもあったりしますが、お金の無駄遣いになる可能性が高いのでオススメはしません…笑


実戦で使えるレベルの英語の習得は、長期戦になるつもりで臨んだ方が良いでしょう。


「それだけの時間と労力をかけるのであれば、直接的にITやプログラムの勉強をした方が、開発業務には役に立つ」
というのが、僕が思っているところです。


日本で働く上でも、たしかに
「英語ができる」
というのはちょっと格好がつきますし、横文字の理解は早くなるかも知れませんが、
その程度のものです。


こういった思いから、日本で通常の開発業務を行う上で、英語の習得に時間を費やすメリットは少ないという結論に至りました…




では、僕自身、日本のエンジニアが英語を勉強することに否定的かというと、決してそんなことはありません。

(矛盾してますかね…笑)



これまでの話は
「日本国内で、日本人だけの中で業務をする上で」
という前提の中で、英語習得の有用性について考えてきました。


その前提に立てば、正直、英語の勉強は日本で働くエンジニアにとって、投資した時間に見合うメリットを得られない選択肢だと思います。


ただ、
英語に限らず外国語の習得は、
その「前提を取っ払える」という点で、習得の価値があると僕は思います。


つまり、
「日本国内で、日本人だけの中で業務をする」
以外の選択肢を得られることこそが、最大のメリットであると感じています。

日本語のみを使うのであれば、この「日本国内で、日本人だけの中で業務をする」という部分は基本的には大前提であり、この部分を変えるのは中々難しいでしょう。








突然ですが皆さんは、日々の仕事、エンジョイしてますか?笑

ポジティブな気持ちで人生を歩めておりますでしょうか 笑


もし、今の日本での仕事や生活に何の不満もなく、日々を楽しく過ごせている方であれば、ここから先の話は、あまり気に留める必要はないと思います。


ただ、
どうしても、
日本で仕事をしている人達を見る中で、
そして日々のニュースなどを見ている中で、

必ずしも、
日々充実した生活を送り、
仕事に対して前向きに取り組めている人達ばかりではないような気がするのです。





本当に極端な例としては、高い自殺率ですとか、過労死などの問題のことを言っています。

過労死などを減らすために法律で休日を増やしてみても、これらの問題はそんな表面的な部分からでなく、

日本人
一人ひとりが持っている
仕事に対する
「常識」とか、
「考え方」とか、
「ムード」
「空気」
のようなものから来ているような気がします。



自分は、日本の「仕事」に対する考え方の影響が大きいように思うのですが、
正直この感覚は一度海外で、外国人の中で働かないと、腹に落とすのは難しい部分だと思うのです。


私も数年前までは日本企業でバリバリ働いて、
昔ながらの考え方をお持ちの上司に評価して頂き
二階級特進などもさせて頂く中で
「仕事とはこうあるべきだ!」
というのを、一片の疑いもなく信じ込んでいました。



ただ、
フィリピンの現地企業に就職して業務をしたり、
アメリカ人の奥さんと日々話したり、
電通のニュースに対する海外の人たちの反応を聞いたりする中で、
ちょっとずつ、
「あれ?僕達の仕事に対する考え方って、特殊…?」
と、思うようになってきました。




少し話が逸れましたが、
僕達が英語を学ぶべき本当の理由は、

日本国内で働く際の開発業務に役立てるためではなく、

「日本で働いている自分を客観的に見て、その上で自分の選択をする」
ためだと思います。



日本語は基本的に、日本人にしか通じない言語です。

僕の奥さんは大の勉強嫌いなため、英語以外の言語は話せないのですが、
日頃から英語で色々な国の友達と連絡を取って、話したりしています。
その中で、色々な国の人たちの価値観に直接触れる機会を持てているようです。


ただ、日本語しか話せない場合は、こうはいきません。
日本という閉ざされた空間の中で、同じような価値観を持った人のみとコミュニケーションをとり、その価値観が、自分を取り巻く世界の全てであるように錯覚することもあるでしょう。

こういう言い方をすると悪いことのように聞こえますが、別にそれ自体は全く悪いことではないと思います。

同じ国の人が、同じ言語を話して、同じ価値観を共有しているだけです。



それ自体は悪いことでも何でもないのですが、

ただ、

もしあなたが今の仕事で苦しい思いをしていたり、

理不尽なことに耐えて、歯を食いしばりながら

「社会人とはこういうものだ」

とか

「周りも苦しい思いをしてるのだから、自分ももっと無理をしなければいけない」

などと自分に言い聞かせながら、日々頑張って生活をしている節があるのであれば、

「その苦しみは、不可避のものではないかも知れない」

ということに気づいてもらえたら嬉しいなぁ…

と、思うのです。



日本国内で、超ハッピーに生きてる人は
この限りではありません、ごめんなさい 笑






そういった、考え方の前提の部分から変えるようなきっかけを得るためには、今とは違った環境に身を置く必要があるでしょう…

狭い世界の外側に、1人で出てみる必要があります。
日本人の友達を連れて行っちゃダメですよ 笑


端的に言うと一度海外で働いてみる必要があると思うのですが、そのためには、多少は外国語が話せたら、助けになることは言うまでもありません。




ただ、こんな

「英語ができると人生が変わる!」

とか

「英語ができると視野が広がる!」

みたいな話は、
きっと皆さん何回も聞いてきたことでしょう…


この手の主張で釈然としないところは、
「変わる!」とか「広がる!」と言われても、
どう変わるのか、
どう広がるのか、
ということは
飛び込んでみないとわからないところです。



「価値観変わるよ!」
と言われても、

「価値観変わるから、何?」

「そもそも価値観変わることってメリットなの??悪い方向に変わったらどうするの?」

と、思ってしまいます 笑



そんな漠然とした、曖昧なメリットのために、
膨大な勉強時間を費やすのは
正直、賢明な判断ではないでしょう。



だから僕は、
「現状の不満」をモチベーションにするのもアリだと感じます。

日本でエンジニアをやっている皆さんは、
きっと過酷な環境下で働かれている方も多いことと思います。

厳しい上司の下で、
生き残るために夜遅くまで働いてやる気をアピールし、
「エンジニアは一生勉強」ですから、土日も必死に勉強を続け、
技術者と言えども、どこかでマネジメントに移らないと価値がなくなるから
業務中は必死に周囲とコミュニケーションを取りながら調整し、
クライアントや上司からの叱責に耐えながら…

「本当にこれ、一生やるの…?」

みたいな方も、一定数いらっしゃるのではないでしょうか…😅




僕はそういう方にこそ、英語を勉強してもらえたらなぁ、と思うのです…

と言うより、英語の勉強はソコソコにして、
サッサと海外の会社に就職してみることをオススメしたいです…

その準備段階で現状への不満をバネにして、ある程度英語ができるようになるまでモチベーションを維持して頂ければ良いと思います。



海外で、上司も、同僚も、他社のパートナーさんも
みんな日本人の考え方とは全く違う中に飛び込んで働いてみると、
日々驚かされることがたくさんあるでしょう…

(同様に周囲の現地人も、僕たちを見て驚いています…笑)


違う世界があることを知ると、何だか自分の働いている環境を客観的に見れるようになりますし、日本に戻ってきて働く上での気の持ちようも変わると思います。

別に日本に帰ってこなくても、一旦英語を習得すれば、今後働ける国の選択肢も格段に増えますしね。



そんなわけで、
記事の最初では英語習得に対して否定的なことも書きましたが、

総合すると、

個人的には英語の勉強に肯定的です。




「デバッグのため」
とか
「ググるため」
とか

ミミッチィこと言ってないで、
見える世界を変えるために勉強しましょうぜ!
ということです 笑




意見の一貫性のない記事で恐縮でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました!

この記事が、どなたかの英語の勉強に関する参考になれば幸いです。

僕も引き続き英語習得頑張ります。
ありがとうございました。