バックエンドエンジニアに必要な言語【初心者にもわかりやすく解説】

2018年12月9日日曜日

Web技術 プログラミング

バックエンドエンジニアを目指す猫

こんにちは、uni-browserの財前航介です。

本日は、バックエンドエンジニアを志す皆様に向けて、どういったプログラミング言語を学んでおくと良いのかについて、分かりやすく解説していければと思います。


そもそも「バックエンド」「フロントエンド」が何なのか分からない方は、先日、株式会社NPV様のWebサイトにて、それについて執筆させて頂きましたので、こちらをご参照ください。

【expert】フロントエンドとバックエンドの違い!どっちの技術者になる? >>


上記の記事の中でも記載させて頂きましたが、バックエンドの技術というのは、非常に多岐に渡ります。


駆け出しのエンジニアや、これからWebエンジニアになることを志されている方には、どういった言語を学習していけばいいのか、分かりづらい部分もあるのではないでしょうか。


本日は、バックエンドエンジニアとしてのキャリアをスタートされたい方に向けて、業界の動向も含めて、学習すべきプログラミング言語について見ていきたいと思います。

バックエンドエンジニアが用いるプログラミング言語一覧


クリスマスのバックエンドエンジニア

下記はあくまで、バックエンドで用いられる数あるプログラミング言語のうちの一部ですが、まずは代表的なものをご確認下さい。

  • Java
  • PHP
  • Ruby
  • Python
  • JavaScript

Java(豊富なフレームワークと、企業向け分野での実績がある言語)


ビジネス志向のバックエンドエンジニア

なんといっても大規模業務システムの開発において、長年の実績があるのが、このJavaです。
SIer業界などで、エンタープライズ向けのシステム開発に携わるのであれば、Javaができれば仕事探しに困ることはないでしょう。
オブジェクト指向の代表格のような言語ですね。

また、実績のあるフレームワークも多数あり、大規模開発以外にも、多くの場面で利用される言語です。

フレームワークとは、プログラムの構造をある程度決めてくれてある枠組みのようなものです。フレームワークを用いることで、オリジナルでプログラムを書かなければいけない部分が大幅に減らせるため、開発の効率化が期待できます。


ただ、Javaを学んだあとに、Ruby等の、ある程度モダンな言語を学ぶと、少しJavaの方がプログラムの書き方が冗長になってしまう感があります。
冗長になってしまう分、過度な省略がないと言えるため、バックエンドエンジニアとしての基礎技術を学ぶ上では、最適な言語かもしれません。

やはり長年の実績と、既に多くのエンジニアがいて人材が確保しやすい点を考慮すれば、今後もあらゆるシステム開発において採用されることが予想される言語です。


また、Android向けのアプリケーション開発にもJavaが採用されていることから、Javaを学んでおけば、スマートフォン向けアプリケーション開発の案件に参画できる可能性も出てきます。

さらに、エンタープライズ向けシステムをクラウド上に構築できるとして、現在多くの企業が採用を始めているSalesforce.com上での開発にも、Javaと非常によく似た構造を持つ言語(Apex)が採用されており、純粋なJava言語から派生した形で利用されている場面も見られます。

特に企業向けのシステム開発に携わるバックエンドエンジニアになりたいのであれば、Javaはぜひとも学んでおきたい言語です。

Javaの代表的なフレームワークには、以下のようなものがあります。
  • Spring Framework
  • Struts
  • SAStruts
  • JSF
  • Apache Wicket
  • Dropwizard
  • Play Framework
  • ZK
  • Spark Framework
  • Ninja web framework


PHP(バックエンド開発で広く用いられる言語)


PCを操作する女性

Javaのようにコンパイルを必要としないため、手軽に利用できる言語です。
バックエンドエンジニアになるのであれば、携わる可能性はとても高いです。

フレームワークも多数あり、Webのバックエンド開発に広く利用されている言語です。

また、WordPressというブログ作成サービスでも採用されており、ブログのカスタマイズ等の用途で広く利用されている一面もあります。


最近まで後述のRubyの勢いに押され気味の言語ではありましたが、LaravelというPHPのフレームワークは、近年非常に伸びているフレームワークの一つです。

手軽に利用できる上に、現在でも広く使われている言語ですから、バックエンドエンジニアとして学んでおいて損はない言語です。
同時に、今後の動向も気にしておきたい言語ですね。

PHPの代表的なフレームワークには、以下のようなものがあります。
  • CakePHP
  • laravel
  • zend framework
  • Symfony
  • codeigniter
  • Phalcon
  • FuelPHP


Ruby(高い生産性を実現する日本製の言語)


タブレットでのバックエンド開発

Rubyとは、まつもとゆきひろ氏によって開発された、日本製のプログラミング言語です。

1995年にこの言語が公開されて以来、世界中から支持者を集め、今では世界で最も注目されるバックエンドエンジニア向け言語の一つになっています。


Rubyは、Ruby on Railsというフレームワークと共に用いられることが多い言語です。
基本的には、WebのバックエンドエンジニアとしてRubyに携わる場合、このRuby on Railsとセットで用いると考えて差し支えないでしょう。

Ruby on Railsの詳細は、以下の記事に詳しくまとめているので、興味がある方はご参照下さい:
Ruby on Railsのメリット・デメリット【初心者にもわかりやすく解説】>>


このRubyの特徴は、何と言っても、非常に高い可読性と開発効率にあります。
冗長な記述を排除し、非常に効率的に開発を行えることから、現在のような人気を獲得するに至ったと言えます。

国内では、食べログクックパッドの開発に、このRubyが用いられていることが有名ですね。
カナダ発の大手ECサイト構築サービス、Shopifyなど、国際的に展開する企業にも多くの導入事例があります。

上記のJavaと比べると、スタートアップ企業などの小規模開発において利用されているイメージが強い言語です。
高い生産性とスピードが求められる開発においては、積極的に採用を検討する価値がある言語でしょう。

もしあなたが、スタートアップ企業においてバックエンドエンジニアとして働かれることを検討されていたり、個人でサービスを開発して起業することを検討されているのでしたら、Rubyは是非とも学んでおきたい言語です。


Python(人工知能にも用いられる多機能言語)


バックエンドの人工知能開発

人工知能の開発や、学術研究などにも用いられることが多い、汎用的なプログラミング言語です。
Pythonも上記のRuby同様、可読性と生産性が非常に高い言語です。

現状では、Webのバックエンドエンジニアが用いる言語と言うよりは、機械学習など、高度なデータ解析を必要とする分野で用いられているイメージが強い言語ではあります。

しかし、Django等のPythonのWebフレームワークが安定した人気を持っていることを考えても、Webアプリ開発の分野でも十分に活用が可能な言語です。
また、YoutubeEvernoteなど、世界的に有名なWebサービスの構築にも、このPythonが用いられており、その多機能さを、大いに発揮しています。

Ruby on Railsほどの魔法のようなソースコード自動生成は期待できないものの、比較的少ないコード量で効率よく開発が行える点や、非常に多機能な言語であることから、今後もシェアが大きく伸びていくことが予想される言語の一つです。


また、なぜこのPythonが、機械学習などの高度な統計処理を必要とする分野で用いられることが多いのかと言うと、Python用に作られた演算・統計処理のライブラリが非常に豊富であることが大きな要因です。

ライブラリとは、便利な機能を簡単に呼び出せるようにした、プログラミングを行う上での「部品集」のようなものなのですが、代表的なものだけでも以下のものが挙げられます。

Pythonの代表的な高機能ライブラリ
  • TensorFlow (機械学習)
  • Theano (機械学習)
  • scikit-learn (機械学習)
  • Pytorch (機械学習)
  • Chainer (機械学習)
  • Stan (確率的プログラミング)
  • Edward (確率的プログラミング)
  • Deap (遺伝的アルゴリズム)
  • Pyevolve (遺伝的アルゴリズム/人工知能)

機械学習やディープラーニングと呼ばれる分野は、今大きな注目を集めている人工知能の開発の中核をなしている分野です。

そういった、人工知能の開発などにも繋がるような、学術的なアルゴリズムを搭載した高機能なライブラリを扱えることから、このPythonが、この分野でのスタンダードな言語になっています。

単純にWebのバックエンドエンジニアになるだけでなく、その裏に人工知能や、統計処理を含むロジックを走らせて、非常に高度なサービスの提供を行いたいのであれば、Pythonは有力な選択肢になるでしょう。


JavaScript(バックエンドエンジニアにも使われ始めた言語)


端末

JavaScriptといえば、フロントエンド開発で用いられる言語ですが、実は近年、バックエンドの開発でもこのJavaScriptが用いられ始めています。

それは、Node.jsと呼ばれる、バックエンドエンジニアがJavaScriptを用いて開発を行える仕組みが登場したことに起因しています。


フロントエンドとバックエンドで開発に用いる言語を統一できることは、開発時のエンジニアの確保の観点から見ても、非常に魅力的なことです。

しかしNode.jsという技術は少し扱いが難しい面もあり、今後バックエンドエンジニアにとってJavaScriptが必要とされる場面が増えていくかどうかは、未だ不透明な部分があります。


しかし、ユニクロを運営するファーストリテイリングが、バックエンド開発においてNode.jsを採用していることや、(何かと話題だった)日産/ルノーのクラウド上のプラットフォーム構築にNode.jsが用いられるなど、大企業に採用される場面も出てきており、今後注目していきたい技術の一つです。


バックエンドエンジニアとして業務に当たる傍ら、フロントエンドでも通用するプログラミングスキルを身に着けたい方は、ぜひともNode.js上でのJavaScriptを用いたバックエンド開発に携わってみられては如何でしょうか。


まとめ(バックエンドエンジニアとして、どの言語に携わりたいのかを見極めよう!)


海の夕日

如何でしたでしょうか?
この記事では、バックエンドエンジニアが携わる可能性のある、代表的なプログラミング言語についてご紹介してきました。

それぞれの言語に特徴があり、
「この言語がやりたい!」
と決めるのは、なかなか難しいかもしれませんね。


バックエンドエンジニアとしてシステム開発に携わることの醍醐味は、なんといっても、そのサービスのロジックそのものの実現に携われることでしょう。

フロントエンド開発では、見た目に分かる機能の実現に終始する感がありますが、バックエンド開発は「そもそもこのシステムは、何ができるのか」という、システムが根本的に提供できる機能を直接的に左右する部分になります。

バックエンドから提供される機能の範囲内で、フロントエンドの人達が「見た目」をよくする、とも言えるかもしれません。




そして、あなたがバックエンドエンジニアとしてどんな機能を提供できるのかは、きっとあなたがこれから学んでいく言語によって変わることでしょう。


Javaによる画期的な業務システムを実現するかもしれませんし、Pythonで人工知能を用いた革新的なWebサービスを提供するかもしれません。


自分が将来実現したい、開発したいサービスはどのようなものなのかをよく見極めたうえで、後悔のないように、これから自分が携わる技術を選択していって頂ければと思います。


この記事が、皆様がエンジニアとしての道を選ぶ上での、ヒントになれば幸いです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。