「サーバーを借りる」ってどういう事? ~レンタルサーバーとは~

2018年11月25日日曜日

ウェブサイト作成・運営

レンタルサーバーの意味がさっぱりな少女

こんにちは、uni-browserの財前です。

突然ですが、皆さんは「レンタルサーバー」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。


ホームページ作成や、ブログの作成をしたことがある方であれば、使ったこともあるかもしれませんね。


「レンタルサーバー」とはズバリ、「サーバーをレンタルすること」なのですが、結局のところ、あれは何を借りているのでしょうか?

ここでいう「サーバー」の定義が少し正確でないこともあり、曖昧な理解のまま作業を進めてしまった方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

この記事では、IT初心者の方でも、「そういうことだったのか」と納得できるよう、「サーバーを借りる」とはどういうことなのか、説明していきたいと思います。


サーバーとは


レンタルサーバー

一般的に「サーバー」とは、「何かしらのサービスを提供しているコンピューター」のことです。

印刷をするためのコンピューターは、「プリントサーバー」

いろんな人のファイルを保管しておくためのコンピューターは、「ファイルサーバー」なんて呼ばれています。

データを保管するためのコンピューターとしては、「データベースサーバー」なんて呼ばれるものもあったりします。


なので、エンジニアやプログラマーの人達に対して、単に「サーバー」というと、「え?何のサーバー?」なんて聞き返されてしまいます。





しかし、一般の方々がWebサイトやブログを作成するために「サーバーを借りる」と言った場合、基本的にそれは、「Webサーバー」と呼ばれるコンピューターを借りることを意味します。

また通常、レンタルした「Webサーバー」には、同時にメール機能もついているので、それらのコンピューターは「メールサーバー」の機能も持っていると言えます。


しかし、メール機能は付加的なものに過ぎないので、やはり基本的には「Webサーバー」を借りると考えて良いでしょう。



Webサーバーとは


サーバー

「Webサーバー」に関しては以前、「Webサーバーってなに?」という記事で簡単にご説明しましたが、もう一度おさらいしておきましょう。


「Webサーバー」とは、「リクエストに応じて、Webサイトのデータを送信してあげる」ためのコンピューターのことです。


これだけではちょっと良く分からないですね。



これを説明するには、「Web」というものの仕組みを少し説明しておく必要があります。



「Web」とは平たく言うと、「コンピューターにデータを入れておいて、そのコンピューターに対して色々な人がアクセスした時に、皆がそのデータを見れるようにする仕組み」です。

それを実現するために、「保存するデータはこういう形式にしておこう」とか、「アクセスする時の通信の仕組みは、こういう風にしよう」とか、あらかじめ世界的に取り決めをして、皆が同じようにデータを公開したり、公開されたデータを閲覧したりできるようにしてあるんですね。



そしてその時、皆が見るためのデータを持っているコンピューターこそが、「Webサーバー」です。

「Web」についてもっと詳しく知りたい方は、「そもそもWebって何?」という記事もご参照ください。)



Webサイトのデータは全てこのWebサーバーが持っている訳ですから、先ほどお話ししたように「リクエストに応じて、Webサイトのデータを送信してあげる」ことが、Webサーバーの仕事ということになります。


今あなたが読んでいるこのブログも、私が借りているWebサーバーが、あなたからのリクエストに応じてあなたのコンピューターに送信したものなのです。



「Webサーバー」の定義


PCを見る猫

Webサーバーの機能や仕組みを詳しく説明する前に、「Webサーバー」という言葉の定義について、少し確認をしておきましょう。


実は「Webサーバー」という言葉は、一般に以下の2つの意味を持っています。


  • Webサイトを公開するための「コンピューターそのもの」
  • コンピューターからWebサイトを公開できるようにするための「ソフトウェア」

つまり、「コンピューターそのもの」を指す場合と、そのコンピューターの中に入っている、一種の「ソフトウェア」を指す場合があるのです。

少し紛らわしいですね。

この「コンピューターそのもの」「ハードウェア」と言うこともできます。




「サーバーをレンタルする」といった場合に借りるのは、前者の「コンピューターそのもの」を借りると考えて良いでしょう。


この記事では、これらを区別するために、「コンピューターからWebサイトを公開できるようにするためのソフトウェア」のことを「Webサーバーソフトウェア」と呼ぶことにします。

従って、単に「Webサーバー」と言った場合は、コンピューター(ハードウェア)そのものを指すと考えてください。



どんなコンピューターを借りるの?


コンピューター端末

私たちが、「レンタルサーバー」として「Webサーバー」を借りたとき、私たちはその会社から「コンピューター」を借りています。

借りているといっても、手渡しで直接、コンピューターの実物を受け取るわけではありませんね。

インターネット経由で、接続して使わせてもらっています。

そのため、自分がどんなコンピューターを借りているのかは、直接見ることはできません。




では、どんなコンピューターを借りているのかというと、基本的には、皆さんが普段使っているパソコンと、同じものだと考えて頂いて大丈夫です。

(画面がついていなかったり、サイズがちょっと大きめだったり、普通のパソコンとは多少見た目の違いはあるのですが、基本的な仕組みは同じものです。)



そういう普通のコンピューターを借りて、ネットワーク経由で使わせてもらっているのです。




「普通のコンピューター」を借りているとお話ししましたが、一点だけ違う部分があります。

それは、あらかじめ「Webサーバーソフトウェア」を入れて、設定してあるのです。


「Webサーバーソフトウェア」とは、先ほどご説明したように、コンピューターにWebサーバーとしての機能を持たせるためのソフトウェアです。

それがあらかじめ入っているということは、そのコンピューターは、借りた時点でWebサーバーとしての機能を果たせるようになっているということです。



なぜWebサーバーを借りなければいけないの?


Webサーバーについて悩む牛

Webサイトをインターネットから見られるようにするためには、「Webサーバー」は必須です。

逆に言えば、「Webサーバーソフトウェア」が入っているコンピューター(Webサーバー)さえあれば、簡単にWebサイトをインターネット上に公開できると言えます。

では、そのWebサーバーとは、必ずしも借りなければいけないものなのでしょうか?


レンタルには月々のお金も掛かりますし、あなたが持っているパソコンを、「Webサーバー」として使うのではダメなのでしょうか。




実は、そういったことも可能です。


「Webサーバーソフトウェア」と呼ばれるソフトを、あなたのコンピューターにインストールすることで、あなたのパソコンをWebサーバーにすることができます。

この「Webサーバーソフトウェア」として最も有名なものとしては「apache(アパッチ)」という名前のソフトがあります。

また、マイクロソフト社が作っている「IIS」という名前のWebサーバーソフトであれば、Windowsのパソコンに最初から入っていたりもします。


ですから、それらのソフトウェアをあなたのパソコンの中で動作させれば、あなたのパソコンをWebサーバーにすることが可能です。


しかし、あなたのパソコンを「Webサーバー」として利用することでWebサイトを公開するのが、あまり現実的でない理由がいくつかあります。

主な理由としては、以下のようなものがあります。

  • 電源をつけっぱなしにしないといけない
  • Webサーバーソフトウェアのセッティングの手間
  • セキュリティ
  • 膨大なトラフィックに耐えられるコンピューターリソースがない


電源をつけっぱなしにしないといけない


電源がついているPC

これは地味な理由ですが、結構大事です。


あなたがWebサイトを公開した場合、そのサイトの閲覧者が、いつあなたのサイトを見に来てくれるかは分かりません。

朝の通勤電車から見てくれる人もいるでしょうし、深夜、寝る前に見てくれる人もいるかもしれません。
もしくは、日本と時差がある海外からアクセスしてくれる人も出てくるでしょう。

そういった人たちに、いつでもWebサイトを見てもらえる状態にするためには、Webサーバーとして利用するコンピューターの電源を、常にオンにしておく必要があります。


一日中、年間365日、パソコンをつけっぱなしにしておくのは電気代も掛かります。

また、パソコンを使っていれば、ソフトウェアアップデートなどで再起動が必要な場面も出てくるでしょう。

再起動を行った際にも、電源が落ちることになりますから、そのタイミングでは公開されているWebサイトの閲覧ができません。



コンピューターの故障時の対応


故障したコンピューターを眺める女性

コンピューターはずっと使っていればいつかは故障しますが、自分で所有しているコンピューターをWebサーバーとして利用している場合は、故障時の対応も自分で行う必要があります。


修理屋さんに出したり、代替機を買うにしても、その間、Webサーバーが停止していることになり、閲覧者がアクセスしてきてもエラーとなってしまします。


レンタルサーバーであれば、そのWebサーバーを管理するのはプロの人達ですし、故障時の対策も考慮されたうえで運営されています。

そのため、個人のコンピューターをWebサーバーとして用いるよりも、故障などのトラブルによる障害のリスクが少なくなります。



Webサーバーのセッティングの手間


PCからWebサーバーを遠隔操作

個人でWebサーバーを所有する場合、そのコンピューターのセッティングも自分自身で行う必要があります。

Webサーバー自体をセッティングすることもそうですし、OS側の設定や、HTTPS通信(安全な通信をするための仕組み)のセッティングなどを、全てを自分で行う必要があり、手間がかかってしまいます。



セキュリティ


Webサーバーのセキュリティをつかさどるプログラムのイメージ

上記の「Webサーバーセッティングの手間」とも重複する部分がありますが、自身でWebサーバーを保有する場合は、そのセキュリティ対策も、自分自身で行う必要があります。


ファイアーウォールと呼ばれる、危険な通信を遮断する設定を行ったり、信頼のおけるウィルス対策ソフトウェアなどの導入を、自分自身で行う必要があります。


また、「Webサーバー」というコンピューターは、しばしば、悪意を持ったエンジニア達(クラッカーといいます)の、攻撃対象になります。

インターネットにおいてWebサーバーは、全世界にデータを公開するのが仕事ですから、そのコンピューターは世界中の人達からのアクセスを受け付けることになります。


中には悪意を持った人達もおり、Webサーバーの中の情報を盗もうとしたり、そのサーバーを乗っ取って、他のコンピューターへ攻撃するための起点にしようとすることもあります。

そのため、Webサーバーのセキュリティーは、常に万全にしておく必要があります。


膨大なトラフィックに耐えられるコンピューターリソースがない


PCが故障して泣く赤ちゃん

Webサイトを作った当初は、あまりアクセスはないものです。

しかし、Webサイトやブログを作る以上は、ゆくゆくはある程度の人数の人達に見てもらいたいですよね。


ただ、アクセスが集まり過ぎたあまり、コンピューターの性能がそのアクセス数に耐えきれず、コンピューターの動作が止まってしまうことがあります。

個人で扱えるコンピューターの性能には限界がありますから、多くのアクセスが見込まれる場合は、レンタルサーバーを利用した方が無難です。


ただし、サーバーをレンタルする場合も、コンピューターの性能によって値段が変わる場合もあり、高性能なコンピューター程、月々の料金も高くなる傾向にあります。


また、コンピューターそのものの性能だけでなく、膨大なアクセスが集まってしまうと、ネットワークにも大きな負荷がかかります。

そういった事態も想定して、自宅のコンピューターやネットワーク環境を整備しておく必要が出てきます。





上記の理由から、Webサーバーを自分で管理するよりは、やはりレンタルサーバーを使うのが現実的でしょう。

何よりも、Webサーバーの設定や管理をしていると、技術的な問題にどうしてもぶつかります。
そういったスキルを今後つけていきたい方は、自分でサーバーをセッティングしてみることも選択肢に入りますが、それ以外の方はレンタルサーバーを利用することをお勧めします。



Webサーバーにはどんな機能があるの?


地球儀

一般的にWebサーバーソフトウェアには、コンピューターをWebサーバーとして安定して利用するための多くの機能が搭載されています。

しかし、その中核となる機能は、
「Webサイトの公開」
これに尽きます。




突然ですが、パソコンを利用している方であれば、「フォルダ」というものをよく使いますよね?

パソコンの中のすべてのファイルは、基本的にどこかの「フォルダ」の中に入っています。

フォルダの中に画像や、テキストなどのファイルを入れておいて、分かりやすく整理している方も多いでしょう。



Webサーバーソフトウェアがやってくれることのイメージとしては、あなたのコンピューターの中にフォルダを1つ作って、そのフォルダの中に入っているファイルを、世界中に公開してくれるようなイメージです。


「あるフォルダの中のファイルを、世界中に公開する」という、シンプルでありながら、非常に便利な機能を提供してくれているのが、「Webサーバーソフトウェア」なのですね。



Webサーバーのレンタルを手掛ける会社は、何をやってくれるの?


スマートフォンを見る女性

レンタルサーバーを借りれば、基本的な設定は、すべて貸し手の企業が引き受けてくれます。

実はコンピューターの設定というと、非常に複雑な作業を行う必要があるのですが、その部分はサーバーを貸し出す会社がやってくれるため、私たちは非常に簡単な操作でサーバーの設定を行うことができます。


また、「HTTPS設定」や「ドメインの取得」、「ウィルスチェック」等の面倒な手続きも、サーバーの機能の一部として提供してくれていますから、私たち自身が面倒な設定を行う必要もありません。


また、メールや電話でのサポートもありますから、問題が発生したときや、分からないことがある場合も、頼りになるサポートの人の助言を仰ぐことができます。


サーバーをレンタルできる、有名なサービスとしては、以下の3つが挙げられます。


「サクラインターネット」

「ロリポップ!」


「XSERVER(エックスサーバー)」



どれも大手企業であり、責任を持って、良いサービスを提供していることで定評があります。


この3社であれば、どれを使うかはその人の好みになると思います。


まとめ


空とクラウドと太陽

この記事では、以下のようなことをお話ししました。

  • 「サーバーをレンタルする」というと、一般に「Webサーバー」を借りることを指す
  • Webサーバーは、フォルダの中にあるファイルを、世界中に公開できる
  • 自前でWebサーバーを用意することもできるが、レンタルサーバーの方が手間もかからず、とても楽

この記事が、皆様のWebサイト作成の、お役に立ちましたら幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。